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<2025年2月>金相場価格マーケットコメント(週間、月間)

金・貴金属買取を全国展開している「なんぼや」HPに、平日は毎日「金相場価格」の専門家コメントを提供しています。

毎週末は、ドル円・株式市場を含めた金相場価格のウィークリーコメントを。
月末には、マンスリーコメントを提供。

下記に、「2025年2月」のマーケットコメント(週間、月間)をまとめました。

【2025年2月】金相場価格ウィークリーコメント(全4週)

2025年2月・第1週(2/32/7

2025年2月3日〜2月7日週のNY金相場は、2,887.6ドル(前週終値比:1.9%上昇)で週間の取引を終了しました。

ドル建て金価格は6週連続で上昇しており、過去最高値を更新する堅調な展開が続いています。

この週に金相場に影響を与えた主な要因について、時系列に沿って確認してみましょう。

3日(月)はトランプ米政権が4日(火)より発動を予定していたメキシコとカナダへの25%関税に関して、両国が米国との国境の警備強化などを約束し関税発動の1ヶ月延期が決定。トランプ氏の揺さぶり外交が早速成功した形となっていますが、先行き不透明感から金相場は買い優勢となりました。

4日(火)には、トランプ米政権が事前の予告通り、中国からの輸入品に対する10%の追加関税を発動。中国側も報復措置として、米国からの輸入品の一部に対し最大15%の追加関税を課すことを発表しました。米中両国が貿易戦争に突入したことで、安全資産への資金シフトの動きから金相場は上昇幅を広げています。

5日(水)も前日までの流れを引き継ぎ、米中両国の関税発動を主な買い手掛かりに、ドル建て金価格は3営業日続伸して連日で過去最高値を更新。

6日(木)は翌日に米雇用統計の発表と日米首脳会談を控え、投資家の様子見姿勢が強まったことで金相場の上昇は小休止。国内では日銀の次の利上げ時期について、当初の7月見通しから早ければ5月追加利上げとの見方が広がり、外国為替市場で円買いドル売りが加速しました。

7日(金)は日米首脳会談が開催され、会談後の共同記者会見でトランプ米大統領は、「相互関税」政策の導入方針を明らかにしました。日銀の早期利上げ観測と相まって、ドル円は2ヶ月ぶりに一時150円台後半をつけています。

トランプ米政権の先行き警戒感から、金相場は引き続き買われやすい地合いです。国内金価格も堅調な推移が続きますが、1月31日(金)から2月5日(水)まで4営業日連続で過去最高値を更新しました。国内金価格はドル円の影響を受けますので、今後の為替の動向にも注目です。

2025年2月・第2週(2/102/14

2025年2月10日〜2月14日週のNY金相場は、2,900.7ドル(前週終値比:0.5%上昇)で週間の取引を終了しました。

週間ベースのドル建て金価格は、ここまで7週連続で上昇を継続しています。この週も13日(木)まで堅調な展開で過去最高値を更新してきましたが、14日(金)はこれまでの流れと一転し、月曜から木曜までの上昇幅の大半を失う大幅値下がりとなりました。

17日(月)がワシントン誕生記念日(プレジデンツデー)で米国市場の3連休を控えており、利益確定を優先する投資家の売りが重なり下げ幅を拡大しています。

この週に金相場に影響を与えた主な要因について、時系列に沿って確認してみましょう。

10日(月)は、トランプ米大統領が鉄鋼とアルミニウムに25%の追加関税を課す大統領令に署名しました。日本も追加関税の対象国ですが、EUやカナダからは反発の声が上がるなど、世界的な貿易摩擦の懸念の高まりが金相場の下支え要因として大幅上昇に繋がっています。

11日(火)は、イスラエルのネタニヤフ首相からパレスチナ自治区ガザの停戦合意を破棄し戦闘に戻ると警告したことが伝わりました。

12日(水)には、注目されていた米消費者物価指数(CPI)が発表され、市場予想を上回ったことで米国の物価上昇ペースの高止まりが続いている状況が示されました。

13日(木)の米卸売物価指数(PPI)は前日のCPI同様に市場予想を上回り、米国のインフレ加速を裏付ける結果となったことから、米連邦準備制度理事会 (FRB)の次の利下げ時期は早くても9月との見方が強まりました。インフレ懸念の高まりからドル建て金価格は買い優勢となり、終値ベースで過去最高値を更新しています。

14日(金)は米小売売上高が発表され、予想以上の減少となったことを受けて外国為替市場ではドルが売られました。ドル円は1ドル=152円ちょうど近辺まで円高ドル安が進み、

12日(水)、13日(木)に過去最高値を更新した国内金価格は一旦小休止となっています。金相場は依然として上昇トレンドを継続し、押し目買いが入りやすく、今後も引き続き底堅い展開が想定されます。

2025年2月・第3週(2/172/21

2025年2月17日〜2月21日週のNY金相場は、2,953.2ドル(前週終値比:1.8%上昇)で週間の取引を終了しました。

ドル建て金価格の週間ベースでは8週連続で値上がりし、米国市場の3連休明けとなった18日(火)に大幅上昇した後は、一進一退ながらも過去最高値圏で堅調さを維持。

トランプ米政権による相互関税政策で米国のインフレ進行が懸念される中、金はインフレに強い代表的な資産であることから、インフレヘッジ目的での金投資にも世界的な関心が高まっています。

この週に金相場に影響を与えた主な要因について、時系列に沿って確認してみましょう。

17日(月)はワシントン誕生記念日(プレジデンツデー)のため、米国市場は休場でした。外国為替市場では、日銀の早期利上げ観測から円高ドル安傾向が強まり、ドル円は151円台前半の水準。早ければ5月にも、日銀の追加利上げが実施されるのではといった見方が広がっています。

18日(火)には、サウジアラビアで米国とロシアの外相会合が開催され、ロシアとウクライナの戦争終結に向けた協議が行われました。ロシアのラブロフ外相は会合後の会見で「会合はとても有意義だった」と述べたものの、ウクライナ側の反発が強いことで米国とロシアの首脳会議の日程が決まらず、地政学リスクが強く意識される状況から安全資産として金が大きく買われました。

19日(水)は、1月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公表されました。議事録では、米連邦準備制度理事会(FRB)メンバー全員が政策金利据え置きを支持したことが明らかとなり、FRBの利下げ慎重姿勢を再確認した格好です。

20日(木)は、トランプ米大統領の相互関税政策への警戒感が意識され、安全資産としての金需要からドル建て金価格は過去最高値を再び更新。

21日(金)は複数の米経済指標が揃って弱く、個人消費の低迷への懸念が浮上、株式市場を中心にリスク回避の雰囲気が広がりNYダウ平均株価はやや大きめの値下がり幅を記録しました。外国為替市場でもドル売りが強まり、ドル円は一時148円台後半の水準にまで円高ドル安が進行。2024年12月3日(火)につけた148円台後半の節目に接近しましたが、その後は反転し149円台に回復しています。

国内金価格は20MAにサポートされ底堅さを保っているものの、ドル円の円高進行で上値も重くなっています。

2025年2月・第4週(2/242/28

2025年2月24日〜2月28日週のNY金相場は、2,848.5ドル(前週終値比:3.5%下落)で週間の取引を終了しました。

週間ベースでは9週ぶりの値下がりとなり、この週の下落幅合計で2月上昇分を全て打ち消す格好に。2025年1月以降、日足チャート上では10MAを下回ることなく一貫して上昇続けてきましたが、週末にかけて40MA近辺までの大幅値下がりで2025年2月を終了しています。

この週に、金相場に影響を与えた主な要因について、時系列に沿って確認してみましょう。

24日(月)は、米経済指標の発表こそないものの、ドル建て金価格は堅調に推移し過去最高値を更新しました。ここまでは下押しする場面がほとんどなく上値を伸ばし続けています。

25日(火)に発表された米消費者信頼感指数が市場予想を下回ったことで、金相場は売り優勢となりました。トランプ米政権の相互関税政策によってインフレ高止まりが続く中、家計の弱さを示す米経済指標で先行き懸念が浮上、下落幅も大きくなっています。

26日(水)は、トランプ米大統領がEUの自動車などに25%の追加関税を課すと発言し、外国為替市場ではドル売りで反応。ドル円は148円台後半の水準にまで、円高ドル安が進行する場面がありました。

27日(木)は、中国からの輸入品に対する10%の追加関税の上乗せをトランプ米大統領が表明。中国への関税上乗せ分は20%に達しています。当初2月4日(火)に発動予定であったカナダ、メキシコへの25%関税とともに、3月4日(火)実施と述べました。トランプ氏の発言を受けて、マーケットではサプライズ的な売りが広がり、金相場も大幅下落。

28日(金)も続落となり、ドル建て金価格は利益確定の売りに上値を抑えられています。この週のドル円は概ね円高方向で推移し、2024年12月3日(火)と2025年2月25日(火)の148円60銭台がサポートラインとして機能。国内金価格は上昇トレンドを継続しているものの、ドル円の円高推移を受けて好悪材料が交錯し、引き続き上値の重い展開です。

トランプ米政権の相互関税政策への世界的なリスクを見通しにくい状況にあるため、発言内容や関税報道に振り回されやすい相場地合いが続きます。

【2025年2月】金相場価格マンスリーコメント

2025年2月のNY金相場は2,846.5ドルでスタートし、2,848.5ドルで月間の取引を終了しました。2月最終週の大幅下落によって、それまでの上昇分をすべて吐き出す格好となり、月間ではかろうじてプラス圏で終了しています。2月はトランプ米大統領の相互関税発言によってマーケットは乱高下。金相場以外にも株式市場や外国為替市場などさまざまな市場において影響が見られました。トランプ米政権の相互関税については、2月4日(火)に中国からの輸入品に対する10%追加関税を発動。中国側も報復措置として、米国からの一部輸入品に対し最大15%の追加関税を課すことを発表。米中両国が貿易戦争に突入したことで、安全資産への資金シフトの動きから金相場は上昇幅を広げています。同じく2月4日(火)より発動予定であったメキシコとカナダへの25%関税は、両国が米国との国境の警備強化などを約束したことで1ヶ月延期が決定されました。26日(水)は、トランプ氏がEUの自動車などに25%の追加関税を課すと発言。翌日27日(木)には中国に対し、3月4日(火)から10%の追加関税をトランプ米大統領が表明。2月4日(火)発動分と合わせ、中国への関税上乗せ分は20%に達しています。この日は、カナダ、メキシコへの25%関税についても触れ、3月4日(火)に発動と述べました。前日には4月を示唆していたため、トランプ氏の発言を受けてマーケットにはサプライズ的な売りが広がり金相場は大幅下落。ほかにも、株式市場や外国為替市場などでも値幅を伴った動きが見られました。トランプ米政権による相互関税政策では、米国のインフレ進行も懸念されています。金はインフレに強い代表的な資産でもあり、インフレヘッジ目的や安全資産としての金需要は根強く、2月のドル建て金価格は過去最高値を更新する場面が多く見られ2月24日(月)が直近の最高値。国内金価格も同様、上昇トレンドを継続しながら過去最高値を更新し、2月13日(木)につけた15,739円が直近の最高値となっています。日銀の追加利上げ観測といったドル円の円高要因があるため、ドル建て金価格よりも早めに下落に転じています。今後もトランプ氏の発言内容や関税報道に振り回されやすい相場地合いが続く見通しです。

提供している金相場価格の専門家コメントは、バリュエンスジャパン株式会社(東証グロース上場、証券コード:9270)が運営している、ブランド品・貴金属・骨董品等の買取及び販売を全国展開する「なんぼや」公式ホームページに掲載されています。

【監修者情報】
水野崇(みずのたかし)