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<2025年4月>金相場価格マーケットコメント(週間、月間)

金・貴金属買取を全国展開している「なんぼや」HPに、平日は毎日「金相場価格」の専門家コメントを提供しています。

毎週末は、ドル円・株式市場を含めた金相場価格のウィークリーコメントを。
月末には、マンスリーコメントを提供。

下記に、「2025年4月」のマーケットコメント(週間、月間)をまとめました。

【2025年4月】金相場価格ウィークリーコメント(全4週)

2025年4月・第1週(3/314/4

2025年3月31日〜4月4日週のNY金相場は、3,035.4ドル(前週終値比:2.5%下落)で週間の取引を終了。4週ぶりの値下がりとなりました。

4月2日(水)にトランプ米大統領が相互関税を発表し、全貿易相手国に対して一律10%、中国には34%、欧州連合(EU)には20%、日本には24%など、国ごとに異なる関税率が示されました。トランプ関税発表後のマーケットはネガティブサプライズで反応。株式市場を中心にリスク資産からの換金売りが相次ぎ、歴史的な大暴落相場の様相です。

この週に、金相場に影響を与えた主な要因について、時系列に沿って確認してみましょう。

3月31日(月)は、相互関税の発表を控えた安全資産の買いで、金相場は連日で過去最高値を更新しました。

4月1日(火)の金相場は、安全資産としての買いが一巡した後から利食い売りが優勢となり、前日比マイナス圏で終了。相互関税はすべての国からの輸入品が対象見通しも、国ごとに異なる関税率の適用や一部の国のみに関税を課す案など、さまざまな可能性が伝えられています。

2日(水)に発表された米国の相互関税を受けて、株式市場では大幅下落、外国為替市場ではドル売り、金相場は大きく上昇となりました。日本時間深夜から早朝にかけての日経225先物が2,000円を超える値幅で下落に転じ、今後の世界的な株安が懸念されます。

3日(木)は、トランプ関税の影響で世界経済の減速懸念が拡大。投資家のリスク回避姿勢が強まり、金相場は売り優勢となりました。株式市場はNYダウやS&P500以外にも、日本や欧州なども大幅続落し世界同時株安です。

4日(金)のNY金先物は、値下がり幅として今年最大を記録する大幅続落となりました。トランプ関税に対抗し、中国は米国からの全ての輸入品に34%の追加関税を課すとの報復措置を発表。米中間の貿易戦争の激化が警戒され、NYダウ平均株価が2,200ドルを超える値下がりで史上3番目の下げ幅を記録。株式市場の暴落に伴う損失穴埋めのため、金などコモディティにも売りが波及しています。

国内金価格は4月1日(火)に過去最高値を更新する16,436 円をつけました。その後は換金売りが相次ぎ、ドル建て金価格と同様に値下がりに転じています。

足元の世界の金融マーケットは混乱状態にあるため、相場の先行き警戒感を示す恐怖指数(VIX指数)は45超まで上昇。2020年3月のコロナショック以来の高水準に位置し、しばらくは大きく乱高下する可能性が高く、冷静な投資行動が求められます。

2025年4月・第2週(4/74/11

2025年4月7日〜4月11日週のNY金相場は、過去最高値を更新する3,244.6ドル(前週終値比:6.9%上昇)で週間の取引を終了しました。

トランプ米大統領の相互関税でグローバル市場の動揺が続く中、安全資産を求める投資家の買いによって、ドル建て金価格は上げ幅を大きく広げています

この週に、金相場に影響を与えた主な要因について、時系列に沿って確認してみましょう。

7日(月)は、前週末までの流れを引き継ぎ、トランプ関税による世界的な景気後退懸念から世界同時株安が止まらず、リスク資産の現金化が加速し金相場は大幅安となりました。

8日(火)は、中国がトランプ関税への対抗措置を発表したことで世界同時株安が拡大。米中間の貿易戦争の更なる激化懸念から、金相場は反発に転じました。

9日(水)は、トランプ米大統領がSNSで、「世界各国対象の相互関税の一部を90日間停止し、税率を10%に引き下げることを承認」「中国に対しては、合計104%の税率を125%に引き上げ、ただちに発効」と投稿。トランプ氏のSNS投稿を受けて、マーケット各所でポジティブサプライズの動きが広がり、株式市場ではNYダウ平均株価が過去最大の上げ幅を記録しました。この日の金相場も大幅上昇しています。

10日(木)は、米中の貿易戦争の激化により安全資産を買う流れが再加速し、ドル建て金価格は今年最大の値上がり幅に。トランプ米政権は、中国に課している相互関税が2月3月発動分を合わせ、計145%になると修正発表しました。

11日(金)のドル建て金価格は4営業日連続の上昇で過去最高値を更新。米中の貿易戦争は両国が一歩も引かず、中国商務省は「米国からの輸入品が中国市場に受け入れられる余地はない」と説明し、12日(土)から報復関税を125%に引き上げると発表。関税のチキンレースで米中間の貿易はすでに不可能な状況にあり、中国はこれ以上の追加関税を無視する方針を示しています。

4月2日(水)にトランプ米大統領が相互関税を発表して以降、グローバル市場は激震に見舞われています。本来は株価急落局面に強いはずの債券市場でも、4月7日(月)に米国債が下落に転じ金利が上昇。外国為替市場ではドルが売られ、11日(金)のドル円は142円ちょうど近辺にまで円高ドル安が進みました。ドル建て金価格の大幅上昇で、国内金価格も16,000円台を回復しています。

2025年4月・第3週(4/144/18

2025年4月14日〜4月18日週のNY金相場は過去最高値を更新し、3,328.4ドル(前週終値比:2.6%上昇)で週間の取引を終了しました。

マーケットの主要テーマは引き続きトランプ関税。ここにきて、トランプ米大統領は追加利下げに慎重なパウエルFRB議長の解任を検討中といった報道もあり、当面は波乱含みの展開が続くと予想されます。

この週に、金相場に影響を与えた主な要因について、時系列に沿って確認してみましょう。

14日(月)は外国為替市場でドル安が一服し、債券市場で米国債が買い戻しの流れから、金相場は売り優勢となりました。

15日(火)は、トランプ米政権が25%追加関税を課した輸入自動車に関して、今度は自動車メーカーの支援を示唆。関税政策では、スマホやPC、半導体製造装置、自動車部品など、一時除外品目をめぐって方針が二転三転しており、トランプ関税の行方は迷走状態です。この背景には製造体制の問題が挙げられ、Apple製のiPhoneであれば製造・組み立ての大部分は中国で実施。中国に対しては計145%の追加関税を課しており、iPhoneを除外品目に追加して対応する方針を示しています。

16日(水)のドル建て金価格は、大幅続伸で過去最高値を更新しました。ウォラーFRB理事は講演の中で、「トランプ関税は、ここ数十年で米経済を襲った最大のショックの一つ」と述べており、実体経済への悪影響について楽観視できない状況が伺えます。

17日(木)は、欧州中央銀行(ECB)が理事会で政策金利の0.25%引き下げを決定。高関税措置で欧州各国では景気減速リスクが一段と高まっており、6会合連続の利下げが適切と全会一致で判断されました。またこの日は、トランプ米大統領が追加利下げに慎重なパウエルFRB議長について「退任すべきだ」「私が求めれば辞任するだろう」とSNSで投稿。FRB議長の解任には正当な理由が必要とされますが、定義は規定されておらず実現性は不透明です。

18日(金)は、グッドフライデーの祝日のため休場でした。

中国を除いて90日間発動が猶予されている相互関税の行方も注目されますが、金相場にとっては引き続き買い材料。国内金価格は17日(木)に過去最高値を更新し、17,000円に迫る勢いです。

2025年4月・第4週(4/214/25

2025年4月21日〜4月25日週のNY金相場は3,298.4ドル(前週終値比:0.9%下落)で週間の取引を終了しました。

1月20日(月)に発足した第2次トランプ米政権は、関税を巡る対応に一貫性がないことで米国内からの反発も強く、発足から100日足らずで早くも行き詰まりの様相を呈しています。トランプ氏としても、インフレ圧力にさらされる企業や消費者への影響も無視できないところでしょう。

金融市場においても米景気の減速懸念の高まりからドル資産が売られ、外国為替市場ではドル以外の他通貨が買われています。

株式市場でも値幅を伴い一時的に大きく値下がりする場面がありましたが、4月上旬に起きた米国債の価格急落(金利急騰)が注目されています。海外投資家による米国債の投げ売りによって長期金利の急騰を招いた可能性があると指摘され、「トランプ米政権は米国債金利を人質に取られた」と表現されるなど、相互関税の上乗せ分を90日間延期した最大の理由とされています。

そんな中、ここにきてトランプ氏は強硬姿勢を軟化させる意向を示し、中国に対して米中貿易摩擦の緊張緩和に向けた話し合いに応じるよう求めています。一方の中国は、米国側の関税取り下げが先として反発姿勢を変えず、米中貿易交渉は平行線をたどっている状況。そのため、金は安全資産として買われやすい相場地合いが続いています。

この週に、金相場に影響を与えた主な要因について、時系列に沿って簡単に確認してみましょう。

21日(月)は、トランプ米大統領がパウエルFRB議長の解任を検討していると伝えられ金相場は買い優勢に。ドル建て金価格は過去最高値を更新しました。

22日(火)は、「パウエルFRB議長を解任するつもりはない」とのトランプ氏発言によって金相場は反落。

23日(水)は、トランプ米政権が中国に対する関税率を引き下げ検討と伝えられ、緩和方針が示されたことで金相場は大幅続落となりました。

24日(木)は、リバウンド買いの流れで金相場は反発。

25日(金)は一転して反落と、方向感が出ない中で週末を迎えています。

国内金価格は4月22日(火)に17,000円の大台にあと一歩と迫る、買取価格16,990円をつけて再び過去最高値を更新しました。

【2025年4月】金相場価格マンスリーコメント

2025年4月のNY金相場は、2ヶ月連続で過去最高値を更新しました。3月以降の地合いを引き継ぎ、堅調に推移しています。4月は3,157.3ドルでスタートし、3,319.1ドルで月間の取引を終了。月間上昇率は5.1%でした。注目されていた相互関税政策は2日(水)に発表され、全貿易相手国に対して一律10%、中国には34%、欧州連合(EU)には20%、日本には24%と、国ごとに異なる関税率が示されました。この時点で、10%関税は5日(土)、日本を含む上乗せ関税分は9日(水)が発動予定日。しかし、9日(水)には一転して、トランプ米大統領から「世界各国対象の相互関税の一部を90日間停止し、税率を10%に引き下げることを承認した」と伝えられると、マーケット各所でポジティブサプライズの動きが見られ、過度な警戒感は和らいでいます。その一方で、相互関税の対抗措置を発表した中国に対しては関税を強化。8日(火)に50%の追加関税を発表し、9日(水)には「合計104%の税率を125%に引き上げ、ただちに発効する」とSNSで投稿。中国側も一歩も引かない構えを示し、中国商務省は「とことん最後まで付き合う」として、12日(土)から報復関税を125%に引き上げることを新たに発表しました。米国と中国の間ではすでに貿易不可能な状況にまで関係悪化しており、中国はこれ以上の追加関税を無視する方針も合わせて表明。トランプ氏の発言も日によって二転三転しており、14日(月)〜15日(火)にかけては相互関税の除外品目の扱いで迷走。18日(金)にはパウエルFRB議長の解任を検討していると伝えられ、中央銀行の独立性が脅かされることへの懸念から、ドル建て金価格は過去最高値を更新しました。トランプ氏が推し進める相互関税政策については、インフレ圧力にさらされる企業や消費者への影響も無視できず、米国内から日に日に反発が強まっています。4月上旬に米国債の債券価格が急落(利回り急騰)したことで、「米国債金利を人質に取られた」と表現する市場関係者もおり、ここにきて強硬姿勢を軟化させる可能性を示唆。第2次トランプ米政権は、1月20日の発足から100日足らずで早くも行き詰まりの様相を呈しています。金相場にとっては買い材料であり、国内金価格も過去最高値を更新ながら17,000円に迫る場面があるなど、底堅い推移で上昇トレンドを継続しています。

提供している金相場価格の専門家コメントは、バリュエンスジャパン株式会社(東証グロース上場、証券コード:9270)が運営している、ブランド品・貴金属・骨董品等の買取及び販売を全国展開する「なんぼや」公式ホームページに掲載されています。

【監修者情報】
水野崇(みずのたかし)