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<2025年5月>金相場価格マーケットコメント(週間、月間)

金・貴金属買取を全国展開している「なんぼや」HPに、平日は毎日「金相場価格」の専門家コメントを提供しています。

毎週末は、ドル円・株式市場を含めた金相場価格のウィークリーコメントを。
月末には、マンスリーコメントを提供。

下記に、「2025年5月」のマーケットコメント(週間、月間)をまとめました。

【2025年5月】金相場価格ウィークリーコメント(全5週)

2025年5月・第1週(5/5〜5/9

2025年5月5日〜5月9日週のNY金相場は3,344.0ドル(前週終値比:3.1%上昇)で週間の取引を終了しました。

日本のゴールデンウィーク期間中だった5日(月)、6日(火)の上昇幅が大きく、週間の終値ベースでは過去最高値を更新しています。

10日(土)〜11日(日)はスイス・ジュネーブで米中貿易協議が予定され、トランプ米政権のベッセント財務長官と中国の何立峰副首相が対面交渉を行います。現在は、米国が中国に対し145%の追加関税を課す一方、中国側も対抗措置として米国に125%の追加関税を課しています。中国側が追加関税の撤廃を求めている中で、協議では両国がどこまで歩み寄りを見せるか注目されます。

この週に、金相場に影響を与えた主な要因について、時系列に沿って確認してみましょう。

6日(火)に発表された貿易統計では、トランプ米政権の相互関税発動を控えた企業の駆け込み需要により、輸入拡大の影響で米国の貿易収支の赤字額が過去最大となりました。この結果を受けて、ドル建て金価格は連日大幅上昇で続伸しています。

6日(火)〜7日(水)はトランプ関税発動後、初の連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、3会合連続で政策金利の据え置きが決定されました。パウエルFRB議長はFOMC後の会見で、トランプ米政権の高関税政策が維持されればインフレ加速と経済成長減速、失業率の増加を引き起こす可能性が高いと発言。利下げについて「急ぐ必要はない」と強調し、繰り返し金利引き下げを要求するトランプ氏の発言に対しては、「一切影響しない」と述べました。

8日(木)は、前日のFOMCの結果を受けてトランプ米大統領がパウエルFRB議長を改めて批判。またこの日は、米国とイギリス間で関税引き下げ交渉が合意に達し、これを好感した買いで株式市場は堅調に推移しています。

9日(金)は週末の米中貿易交渉を控え、協議内容への警戒感から安全資産として金が買われました。FRBの早期利下げの後退観測に伴い、外国為替市場ではドル買いの流れ。ドル円は8日(木)に一時146円台前半をつけ、足元では円安ドル高方向で推移しています。

ドル建て金価格の堅調地合いとドル円の円安進行で、国内金価格も上昇トレンドを継続中。7日(水)に金相場の買取価格として史上初の17,000円を突破し、8日(木)も連日で過去最高値を更新しました。

11日(日)には米国とイランの核開発協議も予定されており、中東情勢不安からも金相場は買いを集めやすい状況が続きます。

2025年5月・第2週(5/12〜5/16

2025年5月12日〜5月16日週のNY金相場は3,187.2ドル(前週終値比:4.7%下落)で週間の取引を終了しました。

10日(土)〜11日(日)にスイスで開催された米中の貿易交渉では、米国は中国からの輸入品に課している関税率を145%から30%に、中国は米国に課している関税率を125%から10%にそれぞれ引き下げ、お互いの関税を115%引き下げることで合意したと発表されました。

これを受けて、グローバル金融市場全般がリスク選好地合いに転じ、安全資産からリスク資産への回帰の動きから、金相場は利益確定の売りが優勢となっています。

この週に、金相場に影響を与えた主な要因について、時系列に沿って確認してみましょう。

12日(月)は、米中貿易協議の進展をマーケットは好感。株式市場は売り方の買い戻しで大幅上昇。外国為替市場ではドル買い戻しが加速し、ドル円は一時148円台半ばの水準にまで円安ドル高が進行する場面がありました。

13日(火)は、トランプ関税問題が好転していることで金融市場は落ち着きを取り戻し、株式市場も戻り歩調を強めています。また、この日はトランプ米大統領がFRBに対し改めて金利の引き下げを要求するも、マーケットの反応は限定的となっています。

14日(水)〜15日(木)は、日本での四半期業績発表がピークを迎えました。トランプ米大統領の相互関税政策の影響は日本も例外ではなく、多くの企業が今年度の業績予想を「トランプ関税の影響で不透明」としています。そんな中、大手企業のリストラ計画が相次ぎ、パナソニックは1万人を、日産は2万人を人員削減すると発表。大手企業のリストラ計画は関連企業も影響を受けることが避けられず、ここに来て日本経済の先行きについて下振れリスクが一段と高まっています。

16日(金)の金相場は反落となりました。ここもとのドル建て金価格は上値の重さが目立ち、やや下値模索の様相。テクニカルで見ると、短期的には移動平均線の5日線、20日線がデッドクロスし、40日線までもが下向きに転じている状況から、レンジ相場を下離れする可能性が見て取れます。

国内金価格は、7日(水)〜8日(木)につけた過去最高値の17,000円台からやや下押ししていますが、引き続き16,000円台と堅調さを保って推移しています。

2025年5月・第2週(5/12〜5/16

2025年5月12日〜5月16日週のNY金相場は3,187.2ドル(前週終値比:4.7%下落)で週間の取引を終了しました。

10日(土)〜11日(日)にスイスで開催された米中の貿易交渉では、米国は中国からの輸入品に課している関税率を145%から30%に、中国は米国に課している関税率を125%から10%にそれぞれ引き下げ、お互いの関税を115%引き下げることで合意したと発表されました。

これを受けて、グローバル金融市場全般がリスク選好地合いに転じ、安全資産からリスク資産への回帰の動きから、金相場は利益確定の売りが優勢となっています。

この週に、金相場に影響を与えた主な要因について、時系列に沿って確認してみましょう。

12日(月)は、米中貿易協議の進展をマーケットは好感。株式市場は売り方の買い戻しで大幅上昇。外国為替市場ではドル買い戻しが加速し、ドル円は一時148円台半ばの水準にまで円安ドル高が進行する場面がありました。

13日(火)は、トランプ関税問題が好転していることで金融市場は落ち着きを取り戻し、株式市場も戻り歩調を強めています。また、この日はトランプ米大統領がFRBに対し改めて金利の引き下げを要求するも、マーケットの反応は限定的となっています。

14日(水)〜15日(木)は、日本での四半期業績発表がピークを迎えました。トランプ米大統領の相互関税政策の影響は日本も例外ではなく、多くの企業が今年度の業績予想を「トランプ関税の影響で不透明」としています。そんな中、大手企業のリストラ計画が相次ぎ、パナソニックは1万人を、日産は2万人を人員削減すると発表。大手企業のリストラ計画は関連企業も影響を受けることが避けられず、ここに来て日本経済の先行きについて下振れリスクが一段と高まっています。

16日(金)の金相場は反落となりました。ここもとのドル建て金価格は上値の重さが目立ち、やや下値模索の様相。テクニカルで見ると、短期的には移動平均線の5日線、20日線がデッドクロスし、40日線までもが下向きに転じている状況から、レンジ相場を下離れする可能性が見て取れます。

国内金価格は、7日(水)〜8日(木)につけた過去最高値の17,000円台からやや下押ししていますが、引き続き16,000円台と堅調さを保って推移しています。

2025年5月・第3週(5/195/23)

2025年5月19日〜5月23日週のNY金相場は3,365.8ドル(前週終値比: 5.6%上昇)で週間の取引を終了しました。

週間の上昇率が5%を超えたのは、4月7日〜4月11日週以来となります。

この週に、金相場に影響を与えた主な要因について、時系列に沿って確認してみましょう。

19日(月)は、格付け会社のムーディーズが米国の格付けを最上位の「Aaa」から「Aa1」に1段階引き下げたと発表。米国の格付けについてS&Pは2011年に、フィッチは2023年8月にそれぞれ引き下げしており、今回の発表で市場のサプライズ感はないものの、米長期金利が上昇していることで金相場は買いが優勢となりました。

20日(火)は、イスラエルがイラン核施設への攻撃を検討しているとCNNが報道。この報道を受けて、中東情勢の悪化懸念がリスク回避目的での安全資産買いを誘い、ドル建て金価格は上昇。外国為替市場でも有事の安全資産とされるスイスフランと日本円が買い優勢となっています。

21日(水)も前日までの流れを引き継ぎ、リスク資産から安全資産へと資金シフトの動き。ムーディーズによる米国格下げの影響も見られ、米国市場では株安、債券安、ドル安のトリプル安状態で投資家のリスク回避姿勢が一段と強まっています。

22日(木)は、米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値と新規失業保険申請件数が発表されましたが、経済発表は特段材料視されず金相場は売りが優勢となりました。

23日(金)は、トランプ米大統領がSNSの投稿で、欧州連合(EU)に対して6月1日(日)から50%の関税を課す意向を表明。さらには、AppleがiPhone生産拠点を中国やインドではなく米国に移さない限り、米国以外で製造されたiPhoneには25%以上の関税を課す可能性を示唆。トランプ関税のニュースが再びマーケットの変動要因となり、金は安全資産として大きく買われました。

トランプ氏はEUとの関税交渉について「話し合いは進んでいない」と述べ、相手に譲歩を迫るトランプ流交渉術でEUに対してもプレッシャーをかけ続けています。グローバル金融市場の受け止め方としては、前回同様にどこかのタイミングで関税撤回の可能性も織り込みつつ、比較的冷静さを保っている状況。

国内金価格は16,000円台で底堅く推移しており、週末時点では上昇に転じています。

2025年5月・第4週(5/265/30)

2025年5月26日〜5月30日週のNY金相場は3,315.4ドル(前週終値比:1.5%下落)で週間の取引を終了しました。

このところの金相場は手掛かり材料に乏しい状況が続き、レンジ内で限定された値動きとなっています。

この週に、金相場に影響を与えた主な要因について、時系列に沿って確認してみましょう。

26日(月)は、戦没将兵追悼記念日の祝日のため米国市場が休場。国内金価格も主だった値動きがありませんでした。

27日(火)は、トランプ米大統領が23日(金)に表明していた欧州連合(EU)に対する50%関税について、当初の発動予定日である6月1日(日)を7月9日(水)に延期すると米国の連休中に発表。これを受けて、連休明け米国マーケットではポジティブ反応が見られ、株式市場は大幅反発となり、株式と逆相関関係にあるドル建て金価格は売られました。

28日(水)は、トランプ関税の一時停止を背景に米国の景気見通しが改善見込みであることから、前日に発表された米消費者信頼感指数が4年ぶりの大幅上昇。これに伴い、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測が後退し、外国為替市場ではドルが買い戻され金相場は売りが優勢となりました。

29日(木)は、米国際貿易裁判所がトランプ関税について「違法」判断を示したことを受けて、ドル建て金価格は一時的に売りが強まる場面がありました。ただし、米国際貿易裁判所の判断ですぐに全てが覆るわけではなく、法廷闘争ともなれば長期戦によって不透明感が一層高まることから、金相場はその後前日比プラスに切り返し上げ幅を広げる展開となりました。

30日(金)は、トランプ米大統領がSNSで「中国は米国との合意を完全に破った」と投稿。ベッセント米財務長官は29日(木)に「中国との協議が行き詰まっている」と述べるなど、米首脳と閣僚トップから米中貿易交渉が進展していない認識が示されました。市場では、米中間の対立激化への警戒感が再び高まっています。

国内金価格は、強弱材料が混在する中で週間値幅は40円程度と小動きで推移し、16,000円台後半に位置しながらも方向感に欠ける相場展開が続いています。

【2025年5月】金相場価格マンスリーコメント

2025年5月のNY金相場は3,299ドルでスタートし、3,315.4ドルで月間の取引を終了しました。月間上昇率は0.5%と辛うじて値上がりしていますが、手掛かり材料に乏しい中で上値重く推移しています。マーケットに大きな影響を与え続けているトランプ関税の5月最大のトピックとしては、10日(土)~11日(日)にスイス・ジュネーブで米中貿易協議が開催され、ベッセント米財務長官と中国の何立峰副首相が対面交渉を行いました。この席で米中両国の歩み寄りが見られ、米国は中国に課している145%の関税を30%に、中国は米国に課している125%の関税を10%にそれぞれ引き下げることで合意に達しています。日本では4月30日(水)〜5月1日(木)に日銀金融政策決定会合が開催され、市場予想通り政策金利の据え置きが決定されました。日銀の経済成長率の見通しについては、トランプ関税の影響を受けて世界経済全体の減速が懸念され、国内企業も影響を避けられないとして前回予測を大きく引き下げ、年内の追加利上げ期待が後退しています。5月6日(火)〜7日(水)は、トランプ米政権の相互関税発動後では初となる、米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されました。FOMCでは市場予想通りの政策金利据え置きが決定され、パウエルFRB議長はFOMC後の会見で「トランプ政権の高関税政策が維持されればインフレ加速と経済成長減速、失業率の増加を引き起こす可能性が高い」と発言。利下げについては「急ぐ必要はない」と強調し、FRBの早期利下げの後退観測からドルが買われる場面がありました。16日(金)には、格付け会社のムーディーズが米国格付けを最上位の「Aaa」から「Aa1」に1段階引き下げたと発表しました。米国の格付けについてS&Pは2011年に、フィッチは2023年8月にそれぞれ引き下げしており、今回の発表でサプライズはないものの、米長期金利が上昇していることで金相場は買い優勢に転じています。29日(木)は、米国際貿易裁判所がトランプ関税について「違法」との判断を示しました。違法判断によってすぐにトランプ関税のすべてが覆ることは考えづらく、マーケットの反応は限定的です。国内金価格は5月7日(水)、5月8日(木)と連日で17,000円を超え、過去最高値を更新しました。その後は16,000円台後半に位置しながらも、やや方向感に欠ける相場展開が続いています。

提供している金相場価格の専門家コメントは、バリュエンスジャパン株式会社(東証グロース上場、証券コード:9270)が運営している、ブランド品・貴金属・骨董品等の買取及び販売を全国展開する「なんぼや」公式ホームページに掲載されています。

【監修者情報】
水野崇(みずのたかし)